格安航空会社、日本でも旋風?全日空も設立方針
2007年12月16日
写真:出発の準備をするマカオのLCC「ビバマカオ」機=15日午後8時、成田空港で
安さを武器に急成長したロー・コスト・キャリア(LCC)と呼ばれる航空会社が、日本市場に目を向け始めた。迎え撃つ全日本空輸も、09年度にはLCCを立ち上げる方針。LCCが日本の空を飛び回る日が近づいている。
15日午後7時半すぎ、尾翼部分の黄緑色の塗装が目立つジェット機が、成田空港に舞い降りた。マカオのLCC「ビバマカオ」の就航第1便。わずか1時間半後にはマカオに向かう旅行客を乗せ、 夜空に消えた。
今後は成田―マカオを週2往復する。チャーター便扱いだが、運賃は普通の航空会社の3分の2程度という。
知名度不足もあって、就航初便の乗客はわずか19人。しかし、コーン・コフィアティス最高経営責任者は「来年は週4往復とし、将来は定期便として運航したい」と意欲を示す。
大韓航空は子会社のLCCを使い、来年5月以降に日本の地方都市とソウルを結ぶ方向で、乗り入れる空港を検討中だ。
LCCが低運賃を実現できるのは、徹底したコスト削減の成果だ。機内サービスの簡素化や有料化に加え、機材の種類を減らして在庫を減らしたり、空港での待機時間を短縮したりしている。
ANA総合研究所の岡村克彦主席研究員によると、人件費も安いアジアのLCCは「国内の大手と比べ、運航コストは5分の1程度」という。
アジアでは、マレーシアを拠点として40近い都市に就航しているエア・アジアを筆頭に、各国でLCCが成長。シンガポール航空やタイ国際航空といった大手会社もLCC子会社を立ち上げた。
ただこれまで、日本へのLCCの乗り入れは少なかった。LCCは燃費の良い小型機だけを持つのが一般的で、航続時間は最長5~6時間ほど。タイやシンガポールからだと日本は遠すぎる。
機内サービスがないビジネスモデルも、長距離運航には向かない。成田空港の発着枠が満杯なのも、参入の障壁になっている。
ただ、LCCのビジネスモデルも多様化。関西空港と中部空港に乗り入れている豪州のジェット・スターなど、中型機を使って長距離路線を運航するLCCも増えてきた。羽田空港が国際線に開放される 10年以降は、さらに参入が相次ぎそうだ。
迎え撃つ全日空は、アジアの航空会社と合弁でLCCを立ち上げる方針だ。「こちらから価格競争を仕掛けるつもりはないが、需要をみながら参入路線を決めていく」(山元峯生社長)戦略という。
